い み ふ め り

ひとりごとてきななにか

妄想力

こどものころは想像ばかりしていた。

自転車で30分もかかる帰り道。いつも好きな男の子との会話を想像してニヤニヤしながらペダルをこいでいた。車ですれ違った近所のおばちゃんには「いつもニコニコしてる」と言われてた。 

しかし今思うとあれは想像じゃなくて妄想だ。あまり空を飛んだら、とか非現実的なことは想像していなかったから。恋バナじゃなくても誰かに殺されそうになったら、とかここにピアノ線がはってあったらとかある意味実現しそうにないことだったけど。それでも自分の能力を超えるようなことではなくてありうることばかり考えてた。そしてそれは帰り道のちょっとした光景だとか気温とかでどんどん加速していったのだった。


大人になると夢が見れないとか想像力が減るとかいう。確かにそう。でももともと想像していなかったじゃないか思う。

ただ、妄想もへった。人の心は己が力でどうなるものでもないというのに気づいてしまったからかもしれない。